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Crypto Economicsの不都合な真実 - 行動経済学の知見から - (3/3)

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堅牢なインセンティブシステムをつくる?

第2回までで、複雑なCrypto Economicsデザインを実際に利用することは難しく、実験が必要であることがわかった。そのため、ほとんどのCrypto Economicsシステムは失敗を積み重ねて、進化していく必要がある。

だが、それの何が悪いのか?火と文字の発明以降、制度設計や宇宙開発、あるいはコンピュータ、ソフトウェア、インターネットなど、すべてのものは多くの深刻な欠陥を抱えてスタートし、改善を積み重ねてきた。

しかし不運にも、Crypto Economicsやブロックチェーンは他のテクノロジーと違い、そのような反復的な改善プロセスを取り入れることが難しい。

まず第1に、ブロックチェーンシステムは一度本番環境にプログラムをデプロイした後で変更することが難しい設計となっている。いかなる変更であっても、ほとんどのステークホルダーにとって望ましい変更でなければならない。そのため、いかなる変更も強固なステークホルダーの利害と向き合わねばならない。

第2に複雑なブロックチェーンシステムにはもれなく含まれる脆弱性や設計バグは、システムが広く浸透するまで表に現れない場合が多い。しかしその時には、数十億ドルの市場価値やネットワーク効果が生まれてしまっているため、凝り固まったステークホルダーの利害と対決することは非常に困難なこととなる。

例えば、一部のユーザーがある設計バグから利益を得ている場合、そのユーザーは「これは仕様であって、バグではない」と主張するだろう。これはよくある政策変更の課題と同じであり、多数のユーザーを抱える分散型システムの場合はその影響はより顕著である。

火に油を注ぐことに、現在の指数関数的なクリプト経済の成長はこれらの多くの欠陥を見えなくしてしまっている。指数関数的に増大するトークン価値を持つシステムにおいて、成長が止まっているときほど各プレイヤーは敵対的ではない。そのことが意味するのは、ブロックチェーンの価値上昇がスローダウンした際に、悪循環に陥る可能性があるということだ。ガバナンスに問題を抱えてプロジェクトでは、この悪循環はより深刻なものになるだろう。

まとめ

最良の条件に恵まれたとしても、よいインセンティブシステムを構築することは非常に難しいものだ。コードが法であり、匿名のステークホルダーからなるコミュニティに支えられたブロックチェーンシステムを、正しく動作させることは非常に難しい。

我々はBitcoinの成功を喜んでいる場合ではない。我々が直面するインセンティブデザインパラダイムでは、より細部にこだわり、低成長で、抑制と均衡のとれたものとする必要がある。

もしこの新たな経済システムをうまくデザインできなかった場合には、先の金融危機同様、このシステムも勢いを失い、連鎖的に下り坂を転げ落ちることになるだろう。

ブロックチェーン経済が作り変えようとしていた既存の経済と、結局は同じ運命をたどると思うと身の締まる思いがする。私たちは指数関数的な成長と短期的な利益に目をくらまされ、長期的な持続不可能性に目をつぶっている。歴史的に見ると、こうした場合、外部からの市場介入につながる (ブロックチェーンの特徴からすると、納税者による救済が現実的とは思えないが)。

ゼロから経済をデザインしようとした際の歴史に、より耳を傾けるべきだ。滅びゆく経済システムの中には、学びにつながるたくさんの歴史的事実、データが存在している。

ブロックチェーンシステムはいくつかの世界的に重大な問題を解決する類稀なるポテンチャルを持っている。インセンティブを調整し、凝り固まった既得権益にメスを入れることで、社会をよりよい方向に変えることができる。この機会を無駄にしないようにしよう。

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